揺れて瞬く街の灯に誘われて
秋も深まり夜も更けて、いよいよ暦の上で秋の最終日となりましたが、日に日に夜の寒さが身に沁みてくるこの季節は、何故だか無性に街の灯りに惹かれますよね。
揺れて瞬く街の灯に誘われて、先日、コートの襟を立てながら宵闇の銀座・有楽町から丸の内・八重洲をそぞろ歩いてきました。
煌くイルミネーションが織り成す光のシャワーはとてもゴージャスで、なんだか幸せな気分になりました。これから年末にかけて街はますます華やぎ、否が応にも、年末モードは昂まるばかりです。
さて、築地周辺にはそんな華やかなイルミネーションこそありませんが、日々の暮らしで疲れた私たちを癒してくれるような柔らかな灯りが、そこかしこに揺れて瞬いています。
勝鬨橋の青と緑のライトアップは、ロマンティックでありながら、観ていると不思議と心が和んできます。
本願寺の盆踊りの揺れる提灯の中で“東京音頭”が流れると、疲れたはずの体に力が湧いてくるのは何故でしょう。
そして数多の店の軒先で揺れる提灯や灯の数々。
あのさりげないながらも圧倒的な存在感、お店の中で日々繰り広げられる悲喜交々の人間ドラマの“無言の語り部”なのかもしれませんね。「提灯は何でもしっている」ってか。
今現在、波除神社でも提灯が煌々と灯りをともしています。
明日から師走に突入の今日は、波除神社も三の酉です。参拝すれば何かご利益があるかも。
…そして帰り道は、赤提灯の誘惑にわざと負けてやるのも結構“粋”かもしれませんよ。